１９６５年９月の本　「魚のおいたち」　を読みました。著者は東大教授だった高井冬二（たかいふゆじ）さん。


魚のおいたち

この手の本は特に当時のレトロなイラストが大好きです。





　５０年以上前に書かれた本で、地球上に生物が誕生し、魚に進化してきた道筋を子ども向けに書かれた本で、福村出版の地球の歴史文庫の１冊。本の中身はもちろん面白いんですが、普通にでてくる今と違う５０年前のことがとっても面白い！

■　ゴトランド紀
　本の中の地質時代の名前で出てきたゴトランド紀？　聞いたことないなぁ・・・・。
ゴトランド（Gotland）紀とは1950年頃までは、スウェーデンのゴトランド島にちなんで「ゴトランド紀」とも呼ばれていたらしく、最近はシルル紀と呼ばれています。これは1835年にイギリスのロデリック・マーチソンがウェールズの古民族名「シルリア族」より命名した地質時代の名前。地質時代の名前も変化するんですね。

■　黒焼屋？
「みなさんはやつめうなぎという魚を知っていますか。　・・・　やつめうなぎは昔から鳥目（夜になるとはっきり物が見えなくなる病気）の薬だといわれて、町にある黒焼屋さんによく売っている魚です。」　・・・　よくある黒焼屋とは？

　で、調べたら確かに50年くらい前は民間療法薬として色々なものの黒焼が専門の店で売られていたんですね。

　東京の秋葉原には今でも黒焼屋さんがありました。


総元祖　黒焼　伊藤黒焼店


タニシの黒焼


ニンニクの黒焼

　黒焼きとは、生物や植物を焼き物の壺に入れて真っ黒になるまで蒸し焼きにしたもの。これを粉にして薬としての飲むんです。
　病院や薬屋さんと同じくらい、病気治療や滋養強壮に使われていたらしい・・・


寒フナの黒焼


カタツムリの黒焼
ちょっと抵抗あるかも・・・


左から、リンゴ、ミミズ！、イモリ


イモリの黒焼は聞いたことがあるなぁ・・・
高級品らしく粉が桐の箱に入ってます。
いくらするのかなぁ・・・

　１９６５年９月の本　「魚のおいたち」　を読んだら黒焼きのことを知ることができました。
　５０年前は黒焼きが現在の薬屋さんと同じく一般的だったこと、そんな黒焼屋さんがいまでも都会にあることを知ることができました。いろいろ勉強になるなぁ・・・。