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 館長の恐竜おもちゃ発掘記(ブログ)
恐竜おもちゃの博物館
恐竜倶楽部 No.431
 "恐竜おもちゃの博物館" は館長が趣味で集めた恐竜や古生物のおもちゃを公開するバーチャル博物館として1998年に始まりました。
 最近は恐竜おもちゃよりも、恐竜文化の周辺情報に興味の中心が変わりつつありますが、恐竜が好きな皆さんと一緒にこれからも恐竜文化を楽しもうと思います!


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恐竜おもちゃの博物館の館長です(恐竜倶楽部 No.431)

Author:恐竜おもちゃの博物館の館長です(恐竜倶楽部 No.431)
"恐竜おもちゃの博物館"は館長が趣味で集めた恐竜や古生物のおもちゃを公開するバーチャル博物館として1998年に始まりました。最近は恐竜おもちゃよりも、恐竜文化の周辺情報に興味の中心が変わりつつありますが、恐竜が好きな皆さんと一緒にこれからも恐竜文化を楽しもうと思います!



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「恐竜おもちゃの博物館・本館」
もう会えない?! 桂沢公園のティラノサウルス像。。。 いままでお疲れさまでした! そして さよなら!
■ もう会えない?! さよなら桂沢公園のティラノサウルス像。。。

北海道の三笠市から、桂沢公園が2022年5月15日に閉鎖される告知が出ました。そこには「#さよなら恐竜」の文字も!!!

レトロなティラノ像(最初はエゾミカサリュウ像)はどうなるのか?  館長は桂沢湖畔の桂沢公園にいる恐竜像、いつかチャンスがあったら会いたいなぁとずっと思っていたのですが、もう会えないかも・・・

せめて元気な恐竜像の写真を残したい・・・とネットを探したところ、旅人YAMA@日本分割6周目 さんからティラノサウルスの雄姿の写真をお借りすることができました。旅人YAMA さん、ありがとうございます!

写真提供は旅人YAMA さん、コメントは館長が勝手につけています。


もう会えない?! 桂沢公園のティラノサウルス像
写真提供:旅人YAMA さん 2021年撮影

桂沢湖畔に立っている恐竜像。なかなかの大物で、高さ7mほどもあるそうです。


もう会えない?! 桂沢公園のティラノサウルス像
写真提供:旅人YAMA さん 2021年撮影

ゴジラスタイルよりももっと直立姿勢・・・・・まるで着ぐるみ・・・


もう会えない?! 桂沢公園のティラノサウルス像
写真提供:旅人YAMA さん 2021年撮影

ずらっと並んだ白いキバ、小さな腕に2本の指、強そうな太い足・・・・・レトロなティラノサウルス復元イメージですね。

なんか右手・右足が同時に前に出ているようなポーズなので、サタデーナイトフィーバーの決めポーズみたい・・・(何の話か分からない人はおじいちゃんやお父さんに聞いてみよう!)


もう会えない?! 桂沢公園のティラノサウルス像
写真提供:旅人YAMA さん 2021年撮影

ティラノ像が登場したのは 1981年(昭和56)年7月10日。三笠市の開基100年記念として作られたと看板に書かれています。

「昭和56年に作られたティラノサウルス像」と言い切ってますが、エゾミカサリュウとして作られたはず・・・・


もう会えない?! 桂沢公園のティラノサウルス像
写真提供:旅人YAMA さん 2021年撮影


張りボテっぽいけれど、味がありますね!

こんなすてきでレトロな恐竜ティラノサウルス像に会えなくなるなんて・・・・。ここ最近、レトロな大型恐竜像はいろんな事情で絶滅(解体・撤去)の危機に瀕していて、元気なうちに会っておきたい!と思ったら、できるだけ早く行かないと、もう会えないなんてことになるんですよね・・・・コロナ禍が憎い!!!


■ いったい桂沢湖で何が起きているのか???

1957(昭和32)年に完成した桂沢ダムによって川がせき止められてできたのが桂沢湖。この湖畔にティラノ像がいるんですが、桂沢ダムの水量を増量させ、水害対策を強化するため国土交通省による新桂沢ダムの建設プロジェクトが進行中です。その方針は 同軸かさ上げ方式 ???

国土交通省 札幌開発建設部のHPを見たら、同軸かさ上げ方式 というのは簡単に言うと今までの桂沢ダムの水をせき止めている堤の高さと奥行きを追加する形で大きくして、ダムに貯められる水を増やす計画なんですね。

■ 国土交通省北海道開発局 札幌開発建設部・新桂沢ダムについて
■ 新桂沢ダムを桂沢ダムと同じダム軸で嵩上げするのはなぜですか?
■ 新桂沢ダム諸元
■ 鹿島建設(株) 再開発事例 新桂沢ダム ←鹿島の説明、判りやすいです!

これにより、現在の桂沢ダムの貯水量が増え湖面が上がるため、周囲に水没が起こる! 水をせき止めているダムの堤の高さが11.9m高くなるので、可能性として湖面が同じくらい高くなるってことですよね。

ティラノ像はほぼ湖畔に立っていて高さ7mほどなので、ティラノ像がそのまま残されても湖面上昇後は水没しちゃう・・・あるいは頭だけ水面に出てくる??? 老朽化も進んでいることでしょうから、最悪、取り壊しかな。。。

恐竜像の今後については詳細未発表なので、見守りたいと思いますが、現在の姿が見られなくなることは確実、だから #さよなら恐竜 なんですね!


■ ところで、なぜティラノサウルス像が立っているのか???

桂沢公園にユニークな恐竜像があることはご存じの方が多いのですが、なぜティラノサウルス像があるのかをご存じでない方が多く、かつて日本中を大騒ぎに巻き込んだエゾミカサリュウ(=ティラノサウルスの仲間)化石大発見事件のことも風化しているようなので、#さよなら恐竜 を機会にまとめておきたい・・・・

館長は日本の恐竜化石発見の歴史にも興味があって、発見当時に発行された古い本も大好きです。桂沢湖の恐竜についてはこの2冊に発見当時の熱狂が詳しく書かれています。

もう会えない?! 桂沢公園のティラノサウルス像

(左) 恐竜(エゾミカサリュウ)の証言 日本列島1億年
 読売新聞北海道支社編集部:編 1977(昭和52)年12月15日:発行 グリーンアロー出版社

(右) 恐竜への道 - エゾミカサリュウの発見 - 
 村本喜久雄:著 1977(昭和52)年11月15日:発行 (株)北苑社


■ 桂沢湖の上流で発見されたのは、肉食恐竜の頭骨???

もう会えない?! 桂沢公園のティラノサウルス像
恐竜への道 - エゾミカサリュウの発見 - から

1976(昭和51)年6月21日 のちに"エゾミカサリュウ"となる化石が菊面沢から採取される!

化石収集家で研究者だった村本喜久雄さんが、アンモナイト化石などがよく見つかる場所として地元にも世界的にも有名な菊面沢で見つけた化石のノジュール(塊)を自宅でクリーニングしたところ、肉食恐竜の頭骨に見えることを発見!

ティラノサウルスの頭骨の前半分の化石なのではないか!!!

確かにそう見える!!!

1976(昭和51)年7月4日 当時、国立科学博物館に在籍していた小畠郁生博士に化石実物を見せて調査を依頼、小畠博士を中心に研究が進められると・・・・・やがて2人は他の文献にでているティラノサウルス化石とは特徴が違うことから新種のティラノサウルスではないか?! "ついに日本でも肉食恐竜の化石が見つかった!"と確信する。


■ 研究成果を記者会見で発表! その日の夜から日本中に「肉食恐竜化石発見!」のニュースが流れる!


もう会えない?! 桂沢公園のティラノサウルス像
恐竜への道 - エゾミカサリュウの発見 - から

1976(昭和51)年11月30日 三笠市民会館で記者会見 「三笠市郷土資料館の村本研究員が採取した化石は、ティラノサウルスの仲間の恐竜の頭部のほぼ前半分と考えられる・・・肉食恐竜として日本初の発見! ティラノサウルスの仲間新属新種の肉食恐竜エゾサウルス・ミカサエンシス(Yezosaurus mikasaensis)和名エゾミカサリュウと命名したいと思い、小畠(博士)と村本研究員の連名で英文論文を作成中」 この日の夜にも「日本でティラノサウルスが発見された」というニュースが流れる

1976(昭和51)年12月1日 記者会見の翌日には日本中で「日本最初の陸生恐竜が発見された」と大ニュースに!

最近では福井県をはじめ日本の多くの場所から恐竜化石が見つかっていますが、かつては地質学の専門家の間でも「恐竜がいたころの日本列島はユーラシア大陸の端っこで、ほぼ海の底。なので、モササウルスやフタバサウルスのような海で暮らしていた海棲爬虫類の化石は見つかるが、陸で暮らしていた恐竜の化石は出ない。」という考えが普通でした。

それなのにパッとみ、どうも肉食恐竜に見える化石が見つかったものですから、専門家も世間も大騒ぎとなったんです。

発見当時も、なぜ海の底だった場所から陸の恐竜の化石が発見されるのか?という疑問はあったのですが・・・・


■ 桂沢湖の上流にある”菊面沢"は世界的に有名なアンモナイト化石産地。その脇には白亜紀の地層が露出!


もう会えない?! 桂沢公園のティラノサウルス像
恐竜への道 - エゾミカサリュウの発見 - から

化石が見つかった場所は桂沢湖の上流、幾春別川の菊面沢と呼ばれる谷。ちなみの菊面とはアンモナイトの日本での昔の呼び名で菊面沢はアンモナイトなど中生代の化石が豊富に産出される場所として専門家・愛好家の間で有名でした。

この谷の近くのガケには中部えぞ層群(三笠層)と呼ばれる恐竜が生きていた時代の白亜紀中期の地層が露出し、雨による浸食で白亜紀の地層が崩され、たまたま中に入っていた恐竜の化石が菊面沢に転がり落ちて、それが発見された。。。これが海の底から恐竜化石が見つかった理由と考えたんですね! 


■ エゾミカサリュウで町おこし!!!

肉食恐竜エゾサウルス・ミカサエンシス(Yezosaurus mikasaensis)和名エゾミカサリュウと名付けられた化石は、その後、三笠市郷土資料館で展示され爆発的な人気に! 1日平均90人の入場者だった資料館に1日に1260人が押し寄せる大人気に!

かつて三笠市立博物館前に建てられたエゾミカサリュウ像大ニュースとなった1976年の年末には三笠市議会でも石炭斜陽を打開する観光振興策として活用できないかとの話題で盛り上がる。

三笠市立博物館前にエゾミカサリュウ像が建てられたり(小さな写真)、円谷プロが制作した特撮テレビ番組「恐竜探険隊ボーンフリー」第24話に「日本で最初に発見された肉食恐竜」という解説でティラノサウルスによく似た姿のエゾミカサリュウが登場したり、三笠恐竜まつりが開催されたり、さかんに恐竜による町おこしが行われた。

さらに驚いたことに、1977(昭和52)年7月16日 エゾミカサリュウの化石が国の天然記念物に指定される! 日本初の肉食恐竜の化石ということで、化石なのに天然記念物に指定! 国を挙げてのブームとなる。

そして、1981(昭和56)年7月10日 高さ7mの立派な桂沢公園の恐竜像誕生 となりました!


■ 一方、研究者たちは・・・・

化石の発見当初から発見された化石は陸の恐竜でなく海の古生物ではないのか? という疑問があり、研究者たちはその後も研究を続けていました。

あまり知られていませんが、化石発見の翌年6月にエゾミカサリュウ発見現場の追加調査が行われました。これは見つかった頭骨以外の化石を見つけるための本格的な調査でしたが、見つかったのは大量のモササウルスの化石???

このあたりから研究者の間では、エゾミカサリュウはティラノサウルスの仲間ではなく、モササウルスの仲間なんじゃないの? という風潮が。。。 ところが、議会を含めた市民は”恐竜!! 恐竜!!”で盛り上がっっていたので、その後もティラノサウルスをイメージしたキャラクターが作られたりしていました。


■ エゾミカサリュウ=モササウルスの判明が、なぜかトカゲだったとまさかの過小評価。。。

そんな中、1989(平成1)年3月14日 北海道新聞に衝撃的な記事が! 「恐竜、実は『トカゲ』」「鑑定ミスが判明」「シンボル『リュウちゃん』困ったナ」など大々的に掲載。モササウルスだって充分価値がある古生物化石だったのに、当時は"トカゲ”と過少評価され、市民はガッカリさせられた。

ジュラシックパークシリーズを見ている皆さんだったら、モササウルスだってすごい生き物で、なんだったらティラノサウルスよりも強いと知っているわけですが、当時の新聞社の記者さんたちは、海棲爬虫類をトカゲと記事に書いたので、市民たちの落胆は大きかったと思います。金メダリストが表彰後に失格、メダルはく奪されるようなものですから。。。

エゾミカサリュウが肉食恐竜の仲間ではなく、海の海棲爬虫類モササウルスなどの仲間らしいことは徐々に市民の間にも知識として広まり、一方ですでに作られていた像はいつしかエゾミカサリュウでなく、ティラノサウルス像と読み替えられるように・・・。

たぶんこの流れの通り、桂沢公園の恐竜もせっかく作った恐竜像は残すけど、モササウルスだったエゾミカサリュウとは言えないので、恐竜像はティラノサウルス像 と言い切ったんだと想像します。。。


■ エゾミカサリュウの名誉回復!!!

1976(昭和51)年に採取されたエゾミカサリュウの化石のその後の研究成果がまとめられ、2008(平成20)年になって海棲爬虫類モササウルスの仲間、タニファサウルス・ミカサエンシス(Taniwhasaurs mikasaensis)として正式な記載論文が発表された。

現在では三笠博物館委はエゾミカサリュウがモササウルスの仲間として復元された模型が展示されていますよ!

これが桂沢湖畔にティラノサウルス像が立っている経緯でした。 でも、桂沢ダムの改良工事による湖面上昇でいずれ恐竜像も姿を消し、日本中を興奮させたエゾミカサリュウ=ティノラサウルス騒ぎも、ますます風化するんでしょうね。

時代の流れによる変化は仕方ないのですが、ちょっと寂しいかな???

 恐竜像のその後ですが、移転することなく、2022年7月下旬、現地で41年の生涯を終えました。
 1981年7月10日生まれなので、2022年7月29日で満41歳。。。いままでありがとう!


この記事を読んで、桂沢公園の恐竜像の写真を私も残したい!という方がいれば、館長のメールまでお知らせください。桂沢公園のティラノサウルス像、皆さんの心の中に永遠の懐かしい思い出として残しましょう!

桂沢公園のティラノサウルス像、いままでお疲れさまでした! そして さよならティラノサウルス!

館長
桂沢公園(北海道三笠市) 【恐竜公園・博物館・恐竜展の訪問記】  もう会えない?! 桂沢公園のティラノサウルス像。。。 いままでお疲れさまでした! そして さよなら!

■ 施設名:桂沢公園
■ 所在地:北海道三笠市桂沢404
■ 交 通:上幌向駅から約30km
■ 恐竜像:昭和56年誕生のティラノサウルス(もとはエゾミカサリュウ?)


■恐竜おもちゃの博物館 TOP
■日本全国恐竜公園ガイド(全国版)
■日本全国恐竜公園ガイド(北海道)桂沢公園

次はどの恐竜公園を偵察に行くのか? 皆さんのお近くにも恐竜公園や恐竜オブジェがあったら、館長のメールまでデジカメ写真と情報をください! 皆さんからの恐竜公園情報も待ってます! 公園の場所や名前も教えてくださいね。情報はこちらへ



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テーマ:恐竜おもちゃの発掘記 - ジャンル:趣味・実用


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